順天堂大学泌尿器科に所属する若手医師による座談会です。泌尿器科の魅力やキャリアに関することなど若手の本音を垣間みれます。
泌尿器科の魅力は?
家田:
僕が泌尿器科に入った理由としては色んなことができるから。例えば癌患者をみるにあたっても、多くの場合は内科と外科に別れてしまう。手術症例は外科、そうでなければ内科みたいな感じで。でも泌尿器科であれば内科から外科領域まで全て自分でみることができる。そんなところに魅力を感じました。
青木:
泌尿器科の魅力?まあ内科から外科まで一貫して診れることは確かに魅力だよね。診断から治療、全て自分たちで行うことができる。治療に関しても、手術や放射線療法、化学療法など非常にバラエティに富んでいる。あとは初期研修後のローテーションがないことも1つ。入局直後から専門的なことを学んでいくことができることは魅力ですね。
寺井:
僕は基本的に変わったことがやりたかった。魅力として感じることは前の二人の先生が言われていることに同感です。そもそも泌尿器科を考えたのは、大学5年生のとき。実習でまわった泌尿器科に洗練された、スマートな印象を受けたから。その雰囲気、環境を作り上げていたのが当時帝京大学の教授で、いまはうち(順天堂大学)の教授の堀江先生でしたね。
順天堂泌尿器科の特色
家田:
順天堂の大学病院は6病院あって、病院間の仲が良く、密に連携がとれている。6病院の情報交換も盛んに行われています。各病院をローテーションすることで様々な診断、治療を学ぶことができる。これは1つの特色だと思います。
知名:
非常に若手が多い。その分、活発に意見の交換がされている。治療方針であったり科としての運営であったり。しかも自分の出した意見が実際に反映されていく、そういったフレキシブルな対応がされる。なかなか大学病院としては珍しいと思います。その反面、責任感を持って診療にあたっています。
青木:
とても若いチームですよね。堀江教授が来られてからまだ2年ですよね?まだまだ発展途上の医局ですが、逆にいま入局すれば自分のやりたいことをやらせてくれる。やりたいことを突き詰めていけば、上級医の先生を押しのけて、その分野のトップランナーになる可能性も十分にある。それはもちろん、自分次第だとは思いますけどね。
いまはどんなことを専門に?
家田:
いま大学院3年目ですが、僕は膀胱癌に興味がありまして、膀胱癌のデーターベースを作成しています。その中で新しい発見を見出せていけたらと考えています。主に統計ですね。順天堂は韓国最大の大学病院群であるカソリック大学と姉妹提携を結んでいまして、交換留学も盛んに行われています。つい先日、私も韓国に留学させていただき韓国におけるデーターベース作成のノウハウを学ばせていただきました。その中で、韓国と大学のデーターを統合する試みにもチャレンジしています。
今はどんなことをしていますか?
知名:
もともとは泌尿器科全般的に勉強していましたが、専門医を取得してからは、主にロボット支援下手術に参加し研究をしています。ロボット手術は泌尿器科だけではなく、今後外科においても将来性がある手術です。そのような、やりがいのある領域を担当させていただいております。実際に手術も執刀させていただいております。このように泌尿器科は最先端の外科的手技が各分野で行われており、大学で学ぶことにより何かのスペシャリストになれるということを、皆さんに知っていただきたいとおもいます。
ロボット支援下の手術件数は、年間RARPが130例で、腎部分切除は12例、RARCが4例です。まだまだ駆け出しではありますが、術者としての執刀数は、多いです。
青木:
私は3年前に順天堂本院に戻ってきましたが、それまでは浦安病院、越谷病院をまわって勉強してきました。今現在は、排尿障害を中心に、外来及び内視鏡手術を行っております。外来では排尿障害以外に漢方による治療や栄養管理に関して専門に行っています。
他大学出身でも大丈夫ですか?
知名:
帝京大学を卒業し、初期研修を東海大学で行い、その後母校である帝京大学泌尿器科に入局しました。その後、堀江教授に紹介していただき現在は順天堂大学泌尿器科で働かせていただいております。他大学出身は関係なく、分け隔てなく仕事することができており、他の先生方で順天堂出身と思っていた人が、実は他大学出身であったりもします。まったく出身校は気になりません。
青木:
平成16年に慈恵医大を卒業し、初期研修を順天堂医院で行い、順天堂大学泌尿器科に入局しました。今まで、他大学出身ということで困ったことは一度もありません。同じ大学出身の人がいると安心することもあるかもしれません。しかし、大学6年間より働き始めてからの期間のほうが長いので、あまり出身大学は気にせずに、自分に合ったところに入局するのが幸せだと思います。
家田:
自分は順天堂大学卒業で、順天堂で研修しました。順天堂のモットーは性別、出身校、国籍を問わずに良医を養成することです。私が研修していた時は研修医も3割が自大学卒業で7割は他大学卒業でした。順天堂出身者は研修医のときから他の大学の先生と一緒に働くことに慣れています。他大学出身であってもすぐに仲良くできると思います。
将来はどういうキャリアを考えていますか?
青木:
もともと入局したときは手術をたくさんしたいと考えていましたが、いろいろと勉強していくと、他にもやりたいことができました。もし皆さんがやりたいことが決まっていなくて悩んでいたとしても、泌尿器科で学んでいるうちにやりたいことが決まってくるとおもいます。実は今は漢方治療に興味があります。
知名:
学生の時は手術が嫌いでしたね。長い時間立ちっぱなしで、手術見学をさせられて、疲れて。しかし、男なら外科系だろうと思って、探していたところ泌尿器科にたどり着いたわけです。実際に、手術をしてみると、学生時代はあんなに嫌いだった手術がこんなに面白いものなんだと思うようになりましたね。今後も、もっと手術を学んでいければと思います。
青木:
外勤先は在宅クリニックで往診医をやっています。教授や医局長が、いろいろな外勤先を集めてきてくれているので、外勤一つとっても一般外来はもちろん、手術、透析、不妊治療、往診医など様々な体験ができます。
大学病院での後期研修の意味、魅力に関して
青木:
医者をやっているうえで一番勉強になることは、人が行っている症例を学ぶことだと思っています。そういう意味では振り返ってみると、市中病院では、自分で受け持った症例は確かに多いかもしれませんが、大学病院の方が学んだことは多かったように思います。
医局にいれば、もちろん市中病院で働く機会もたくさんありますので、市中、大学どちらも体験できることがメリットと思います。
家田:
大学医局に入ることの意味は、自分の選択肢が狭まらないことだと思います。
順天堂の医局は、希望を出せば、臨床一本でやっていくことも可能ですし、途中からやっぱり研究に興味が出てくれば、方向転換も可能です。本院以外にも練馬や浦安をはじめとした教育関連の施設がたくさんあるために多くの選択肢が用意されています。
あとは、学会発表、論文制作の機会も市中病院に比べれば多いと思います。自分は現在大学院生ですので、後輩が研究をやりたいと思ったときに、自分がアドバイスできるように頑張っています。
知名:
優秀な人同士が競いあい、力をつける場であるのはもちろんのこと、僕のような要領の悪い人も面倒を見てもらえる、そういった懐の広さが医局にはあるんじゃないかなと思います。
寺井:
順天堂には色々な関連病院があって、常に人が動いている。市中病院に行くと、自分から動かないと何も変わらないし、動いた先がどうなっているかわからないところがある。そこが順天堂に限らず、大学医局と市中病院の一番の違いだと思います。
順天堂で一緒に学ぼう!
家田:
自分のやりたいことがあれば言ってもらえれば手助けでできることは、一から十まで全て手助けしてあげたいと思っています。とても楽しく、若手の多いチームですので一緒に頑張っていきましょう。
知名:
まだ悩まれている方々も多いと思いますが、住めば都。是非一緒に順天堂大学で働いて、やりたいこと、やるべきことを見つけていければと思っています。入局お待ちしています。
青木:
みなさん色々な考えがあると思いますが、このHPをみたということは一期一会だと思いますので、是非一度見学にいらしてください。