どんなタイプ、どんな志向の医師にもフィットする、
「懐の深さ」と「チャンス」がある!
順天堂大学医学部泌尿器科
教授 堀江重郎
もうすぐ2年間のスーパーローテーションを終える皆さんは今、自身の将来の方向性について一生懸命考えていることでしょう。
その選択肢のひとつとして、わが順天堂大学医学部泌尿器科の特色について、お伝えしたいと思います。
2つのイノベーションが同時進行する、
極めてエキサイティングな領域。
まずはじめに、泌尿器科という領域についてです。
医学の世界は常に進化し続けていますが、泌尿器科は、その中でもここ20年あまりのイノベーションが非常に著しい領域です。
ロボット支援手術などの手術手技のイノベーションと薬物治療のイノベーションが、同時に、しかも加速度的に進行し続けています。
このような領域は、21世紀の医学の中でも他領域をリードしている言えるでしょう。
長い間、医学の世界では心臓や脳など、命に直結する臓器が重視されてきましたが、21世紀に入り、高齢社会を迎えたことで、QOLを高める、あるいは保持するための医療が求められるようになってきました。
このことが、泌尿器科のニーズを飛躍的かつ世界的に高め、イノベーションの原動力となってきたのです。
ところが、こうした時代のニーズに対し、日本の泌尿器専門医の数はまだまだ追いついていません。
そういう意味では、医師にとって、これほどチャンスに満ちた、エキサイティングなステージは他にないと言えるでしょう。
成長を支える、
クラブチームさながらの連帯感。
順天堂の泌尿器科は、日本でもトップクラスの症例数を誇っていますから、手術も早い段階から実践的に学ぶことができます。当然、外来や病棟での経験値もどんどん上がっていきますから、後期研修医の成長速度は他科と比べて非常に早いと言えるでしょう。
しかし、ただ早く成長すればいいというものではありません。
手術はもちろん、外来や病棟でも、医師には絶えず「判断」が求められます。
経験が浅く判断が難しいとき、迷ったとき、しっかり支えてくれる先輩や指導医がいてこそ、的確な判断ができる医師として成長していくことができるのです。
過去に先輩たちに支えてもらった経験があるからこそ、後輩達のことを手厚くサポートする、というのが、順天堂大学泌尿器科の歴史の中で受け継がれてきた伝統のひとつです。
クラブチームさながらのこうした気風こそ、確実にスキルや知識を身につけ、よりよい判断のできる「いっぱしの医師」へと成長させる土壌なのです。
基礎をしっかりと身に着けたら
何かひとつ、目標を持とう。
さて、後期研修医にとっては、専門性の高い医師になることが大きな目標のひとつです。
泌尿器科は、ガンから良性疾患まで、泌尿器・生殖器の非常に幅広い疾患を扱います。
そこを入り口に、分子生物学、遺伝学、栄養学、東洋医学、ナビゲーション、在宅医療など、さまざまな研究分野から臨床への取り組みが広がります。
ですから、手術がしたい人、機械が好きな人はもちろん、基礎研究に興味のある人、ターミナルケアやプライマリーケアに興味がある人など、どんなタイプの医師にもフィットする科であると言えるでしょう。
また、イノベーションというものは、一見無駄に思えることから突然生まれてくるものです。
ちょっと変わった独創的な発想をする人、遊ぶのが大好きな人、自分自身のライフスタイルを大切にする中から、真に価値ある医療のスタイルが見えてくるのだと考えます。
泌尿器科だけではなくすべての医師にも通じることと思いますが、病気だけを診るのではなく、患者さんとそのご家族も含め、その方の生活や仕事、趣味など、人生をどう送りたいのかを理解したうえで治療を選択し、サポートしていくことが求められます。
最善最良の医療を提供できるよう、広い視野を持つことも重要です。
いろいろなことをディスカッションしながら互いを認め合える仲間とともに、切磋琢磨していきましょう。