メンズヘルスチェック外来

当科は日本で初めて男性の健康に特化したメンズヘルス外来を立ち上げ、約10年にわたり数多くの男性患者様の診療を行って参りました。
近年、精液所見を健康のバロメータの1つとして捉える報告が増えており、今回精液検査などを含めたスクリーニング検査を行うトータルメンズヘルスチェック外来を立ち上げることとしました。

このような方はぜひ、ご相談ください(診療対象者)

  • 性機能、精液所見が気になる方
  • 健康のために身体の状態をチェックしたい方
  • 男性更年期の症状を少しでも実感している方

※メンズヘルスチェック外来は、18歳以上の方が対象です。

治療サイクル

  1. ヘルスチェックを行う
  2. 身体の状態がわかる
  3. お薬や習慣を見直す

初回の外来診療内容

問診

医療アンケートを行うことで、身体の状態に向き合うことができます。

血液検査

下垂体ホルモン・男性ホルモン値、感染症の有無、精子の運動に関係する項目や生活習慣病に関連する項目を検査します。

精巣検査

触診により精巣や精巣上体に異常がないか、超音波検査により精巣内部や血管を検査します。

Inbody 測定

Inbody770®️により、体脂肪量や筋肉量などを数値化して解析します。

精液検査

日時 : 月曜日、火曜日、金曜日(いずれも午前中)に提出していただきます。
禁欲期間 : 2-4日を推奨いたします。
精子の数や運動率などを評価します。なお、精子DNA断片化検査は行っておりません。

補充療法について

サプリメントで補う

エネルギーを作り出すミトコンドリアなどに存在するPQQ(ピロロキノリンキノン)を配合したサプリメント(こちらは当方で処方する薬ではありません)

漢方で補う

問診や検査結果に合わせて、精子濃度や運動率、男性更年期に有効とされる漢方を処方します。
一般の方が自分の体調に合うものを探すのは難しく、長期継続率が低いと言われています。

栄養補充のお薬で補う

 亜鉛

酸化代謝に関与する抗炎症因子として知られております。亜鉛が不足すると、男性ホルモンが低下しやすくなります。

ビタミンD

精子の運動率や運動精子数と関連があるとの報告があります。不足すると、男性ホルモンが低下しやすくなります。

受診情報

当科で扱えない疾患については、関連施設への紹介を行います。
完全予約制のため予約枠に限りはございますが、まずは当科トータルメンズヘルスチェック外来でご相談ください。
※当科では、精索静脈瘤、乏・無精子症に対する手術加療は行っておりません。

毎月第1土曜のみ・完全予約制(2名まで)

参考情報:精子機能を高める工夫

食事

精子に良い食事・悪い食事については、欧米を中心に多くの論文報告がなされております。

結果をまとめると、野菜や果物、豆類や魚介類、全粒穀物やオリーブオイルの摂取が精子にはよいとされます。

逆に、加工肉やスナック、ファストフードや加糖飲料などの過剰な摂取は、生活習慣病の発症とも関連するため、精液所見の悪化に寄与する可能性が示唆されています。

運動

継続的な運動が、精液所見を改善させたとの論文があります。

精巣内脂肪沈着が精液所見の悪化に関連することは知られており、運動により筋肉量を増強させ、脂肪量を低下させることは精液所見の改善に有用と考えられます。

禁煙

喫煙は勃起障害(ED)の原因になります。
また精子形成にも影響を及ぼし、精子の運動率を低下させたり、形態異常の出現頻度を高める傾向があります。

精巣内温度を上昇させない

精巣の温度が高いと精巣機能が低下することが知られております。

【上昇を予防するには】

  • 下着の工夫
    (ブリーフやボクサーパンツではなくトランクスを着用する)
  • サウナや熱いお風呂に長時間入らない
  • 膝上でのノートパソコン使用を行わない
  • 自転車・バイクに乗りすぎないなど

そのほか過度な飲酒を行わないことや規則正しい生活を送ることが大切です。