泌尿器科の特色〜Q&A〜

専門領域

Q:泌尿器科とはどんな科でしょうか?
A:非常に幅広く、バリエーション豊富な科です。
あなただけの専門分野を見つけてください!

泌尿器科は尿路疾患から男性生殖器系、女性の骨盤疾患にいたるまで比較的広い領域の治療を専門分野とする科です。
実際の臨床においては、外科であると同時に内科的な疾患管理も行なっています。

ロボット手術などの最先端テクノロジー、画像研究、新規抗がん剤や排尿に関する薬剤の開発も盛んな一方、数多くの臨床研究および基礎研究のテーマが存在し、研修プログラムはこういった臨床研究・基礎研究に興味がある人にも開かれています。

中でも順天堂大学の泌尿器科は、単独の科でありながらさまざまな専門分野が存在することが大きな特徴のひとつといえるでしょう。

<泌尿器科が持つ専門領域の例>

  • 小児泌尿器科
  • 泌尿生殖器腫瘍(オンコロジー)
  • 腎移植
  • 尿路結石
  • 尿路感染症
  • 女性泌尿器科
  • 内分泌・生殖機能・性機能
  • 老年泌尿器科・前立腺肥大症
  • 排尿機能・神経泌尿器科
  • 外傷・救急医療
  • エンドウロロジー・腹腔鏡
  • 基礎研究
  • オフィスウロロジー      など

Q:泌尿器科医は、どんなタイプの医師に向いていますか?
A:どんなタイプの人にもチャンスがありますが、
専門性を追求したい人には、特に向いています。

多くの医師にとって泌尿器科医のイメージは「高度に教育された泌尿器領域の専門家」です。実際内科医の多くは、患者が泌尿器科領域の問題を抱えていると判断すると、ほぼすべての患者を泌尿器科に送る傾向があります。

逆に泌尿器科の専門領域以外に関しては、どうしても知識や経験が少なくなる傾向も否めません。ですから全ての領域の疾患をまんべんなく診察・治療したいという希望を持っている人にとっては、泌尿器科は正しい選択ではないかもしれません。

特に順天堂大学の泌尿器科は、各自が専門分野を持つ集合体であり、どこにも負けないような医療を提供できる泌尿器科チームを目指しています。

そういう意味で当泌尿器科は、自分自身で専門分野を切り拓き、追求していきたい人にとても向いています。
また、そういう人を全面的にバックアップしようという伝統と雰囲気がありますから、自分自身のライフスタイルやキャリア形成を自分自身で思い描き、実現していきたい人に向いていると言えるでしょう。

Q:泌尿器科医には、優しくて面白い人が多いというのは本当ですか?
A:本当です。海外でもその傾向があります。

特定の専門分野にいる人が、必ずしも同じような性格や傾向を持つ訳ではありません。
しかしあえて泌尿器科医をステレオタイプとして表現するとしたら、やはり 「優しくて面白く、気取りのない外科医」と言えるでしょう。

これは日本の泌尿器科医に限った傾向ではありません。
たとえばアメリカでは、泌尿器科医は “friendly, funny, and happy down-to-earth group of surgeons”と表現されます。

特に順天堂大学の泌尿器科は、非常にフレンドリーで面白く、研究熱心でありながら自身の日常生活をとても大切にするタイプの人が揃っています。
もしあなたがそのようなタイプであれば、当泌尿器科に入局しても何の違和感もなく、周囲に溶け込めるでしょう。

手術

Q:先進医療を学びたいのですが…。
A:それなら泌尿器科はベストな選択です。

泌尿器科は、外科領域の中でも最先端のテクノロジーを用いた手術が多いことで知られています。たとえば、ほとんどの手術は腹腔鏡手術に置き換わっており、その腹腔鏡手術もロボット支援手術に取って代わろうとしています。

また、2016年4月現在、ロボットを用いた手術が保険適用されているのは、「前立腺全摘出手術」と「原発巣の直径が7㎝以下で転移巣のない腎臓がんにおける腎臓部分切除」のみ。つまり泌尿器科だけであり、泌尿器科はロボット外科手術のリーダー的存在となっています。

当泌尿器科では、手術支援ロボットのみならず、ロボット手術のシミュレーターを完備しており、これらを使用した手術の臨床例が豊富なうえ、数多くの臨床研究および基礎研究のテーマが存在します。
先進医療を学びたい人には、非常に有利な現場と言えるでしょう。

Q:手術をたくさん経験して腕を磨きたい。可能ですか?
A:「週に2〜3日は手術室」という選択も可能です。

泌尿器科診療の大部分は、外来で実施されます。
外来では、泌尿器科医は内科的に投薬などの治療することができるだけでなく、小さな手術を行なう事もできます。このように内科および外科が併存している科であるということが、泌尿器科の大きな特色の1つです。

外科医には手術をコントロールし、チームを率いていく資質が必要とされますから、手術が好きならば、医療スタッフや同僚で作り上げるチームワークを大切にしながら、自分で手術ができる環境を作り上げてください。
順天堂大学の泌尿器科は、非常に症例数が多いので、週に2〜3日は手術室にいたい!という人にとってこれほど有利な科は他にないでしょう。

また泌尿器科の手術は、術前のイメージングの質が高い事でも知られています。
たとえばDIPやCT、MRIなどといった放射線画像検査に始まり、膀胱鏡検査、尿管鏡検査、尿路造影検査などのイメージによって、「明確な術前評価」 「正確な手術計画」 「実行可能な手術目的」を設定することが可能です。

実際当泌尿器科では、探索的な試験開腹手術はほとんど行われません。
予定手術がほとんどであり、一般外科領域と比べてはるかに満足のいく手術経験を体験する事が出来ます。

Q:どんな技術を習得できますか?
A:手術バリエーションは実に豊富です。
外科医として、合理的かつ効率的にキャリア形成できます。

ひとことで泌尿器科の手術といっても、数十分(長すぎ!)で終了する前立腺生検や膀胱鏡検査、包茎手術から、手術時間が10(もう少し短く)時間以上にもおよぶ回腸利用新膀胱、膀胱摘除術まで、バリエーションに富んでいます。

当泌尿器科では、最初はチームの一員として大きな手術に参加しながら、どんどんキャリアを積んでいくことができます。
また「一般の泌尿器科医」にあきたらず、最終的には腎臓・前立腺・膀胱などの特定の泌尿器科手術の専門家になる泌尿器科医も多くいます。

ライフスタイル

Q:泌尿器科医の生活はハードですか?
A:メリハリのある、自由なライフスタイルを選べるのも大きな特色です。

人生設計を考える上では、収入はもちろん、余暇も非常に重要です。
その点、一般にマイナー外科と呼ばれる外科領域の医業収入は安定して高額で、トレーニングを終了した泌尿器科医の収入は保証されています。

泌尿器科は外科領域だからといって、必ずしも朝早くから夜遅くまでの勤務があたりまえという訳ではありません。救急疾患は少なく、ほとんどの手術は予定手術で行なうことが出来ます。そのため「自身のライフスタイルを自分で決定すること」が可能であり、熱意を持って仕事に打ち込む事も可能である一方で、ゆとりを持ったライフスタイルを選ぶ事も可能です。

泌尿器科のようなイノベーションの著しい領域で、当泌尿器科は個人個人が自由にアイデアを創出し、羽ばたかせることのできるゆとりある生活、環境、雰囲気も重要だという伝統的な考え方が根付いています。